立浪草
松 / つつじ 松を主体に、つつじを対象に活けました。 一年中青い「松」と初夏に花を咲かす「つつじ」がお互いに引き立て合いながら共生する様子を表しています。 「ツツジ」は俳句における春の季語でもある。 また「躑躅花」(つつじばな)は、短歌(和歌)における枕詞としても使用される。この場合は「花のように美しい君」という意味から「にほふ」や「にほえをとめ」にかかる。 ·躑躅いけて 其陰に干鱈(ひだら) さく女 - 松尾芭蕉 ·つつじ花 にほえ娘子(をとめご) 桜花 栄え娘子 - 柿本人麻呂 |
大山蓮華 近隣の野山で採取した大山蓮華を活けた作品です。(生徒様の作品) 【大山蓮華】 本州、関東地方以西から四国、九州に分布。 山地に生え、高さは3メートルほど。 葉は楕円形から倒卵形で、互生。 5月から7月ごろ、芳香のある真っ白な花を下向きまたは横向きに咲く。 紅色の雄しべが目立つ。 別名「みやまれんげ(深山蓮華)」 ●モクレン科モクレン属の落葉低木 学名は Magnolia sieboldii ssp.japonica |
岩 / 石菖 初夏の小川の風景を表しています。 岩と岩の間から石菖が生えていて、その草陰にサワガニが休んでいる様子です。 こちらの石菖・岩も近くの川で採取してきました。(生徒様の作品) 【石菖】 ●本州、四国、九州、それに東アジアに分布。渓流の水辺などに生え、高さは15〜30センチに。葉は線形で、斑入りの園芸品種がよく植栽されている。 3月から5月ごろ、細長い穂状花序に黄緑色の目立たない花を咲かせる。 根茎は「石菖(せきしょう)」と呼ばれ、漢方では鎮静や鎮痛、健胃薬として利用される。 ●ショウブ科ショウブ属の常緑多年草。 学名 Acorus gramineus 英名 Japanese sweet flag |
三つ葉あけび
自然に野山の木の枝から垂れ下がる様子を表しました。 どちらも、野山にて採取してきました。 (生徒様の作品) 【もちつつじ】 ●本州、山梨県以西から岡山県までと四国に分布。アカマツ林など、明るい林内や林縁に生え、高さは1〜2メートルに。葉は楕円形から卵形で互生し、枝先に集まってつく。 4月〜6月ごろ、淡い紅紫色の花を咲かせる。花冠は深く5裂し、上萼片には濃紅色の斑がある。雄しべはふつう5個だが、6〜10個のものも有り。萼片や花柄には腺毛が密生し、よく粘ります。雄しべが10個あるものは「アワノモチツツジ(阿波の餅躑躅)」と呼ばれる。 ●ツツジ科ツツジ属の半常緑低木 学名 Rhododendronmacrosepalum 英名無し |
五月梅 / なつはぜ こちらは、庭に咲いていた「五月梅」と、近隣の野山で採取してきた「なつはぜ」を高さのある花器に活けました。 初夏になつはぜから、五月梅が垂れ下がりながら咲いている美しい景色を表しています。(生徒様の作品) 【なつはぜ】 ○日本各地をはじめ、朝鮮半島南部や中国に分布。丘陵や二次林に生え、高さは1〜2メートルに。葉は楕円形または長楕円形で、葉縁や裏面には粗い毛が生え、互生。 5月から6月ごろ、枝先の総状花序に、淡い黄褐色の花を咲かせる。 秋には果実が黒色に熟し、甘酸っぱくて食べることができる。 名前は、夏のころから「ハゼ」のように紅葉するということから。 ○ツツジ科スノキ属の落葉低木 学名 Vaccinium oldhamii 英名無し |
かえで / 芍薬 野山で採取した「かえで」と「芍薬」を白い花器に活けました。 「かえで」を主として線を活かし、「芍薬」を対象に添えています。 「かえで」は庭に生えていたのを採ってきました。また、「芍薬」は近隣の野山から採集しました。 後方:二枚屏風 御所車 御所車を描いた二枚屏風の前に活け、色のコントラスの美しさも楽しめます。 (生徒様の作品) 【かえで】 カエデ科カエデ属の植物の総称。 世界に約200種,日本に十数種あり,日本産ではイロハモミジ類がその紅葉の美しさで代表的。材は緻密で細工物や器具材とする。 サトウカエデ・イタヤカエデの樹液からは糖分を採る。そのほかハウチワカエデ・メグスリノキなどがある。モミジ。古名カエルデ。 秋。 |